HSPは仕事にストレスを抱え、他の人には理解しづらいことで迷ったり、考え込んだり。
それにより、仕事の進みが遅いと思われることも多いのではないでしょうか。
小さな刺激で大きくストレスを抱えてしまうHSP。
毎日多くの人と接し、決まった時間に出社しなければならない仕事
会社員として働くことは私にとってとてつもないストレスでした。
しかし、仕事が辛いのは普通の感情であり、多くの人が辛い辛いいいながらも頑張っている。そんなものだろう。
そう思って働き続けた結果、新卒入社半年でうつ病になり休職。たった半年で会社を退職しました。
そんなHSPが社会に出て組織の一員として働く上で、仕事のつらい部分を考えてみました。
仕事がつらすぎて入社半年でうつ病に
私は新卒で入社した広告代理店を半年でうつ病と診断され休職。その半年後に退職しました。
うつ病になった理由は、たくさんありますが、総じて「仕事がつらすぎるから」です。
結果的に、うつ病となって会社を去ることになりましたが今もあの環境に戻りたいとは1mmも思いません。
それは、HSPの私と職場環境がとてつもなく合わなかったからでした。
HSPに向いている仕事と言われると、「フリーランス」「クリエイティブな仕事」などとたくさん出てきます。
しかしHSP気質をもつ多くの人がすぐにフリーランスになったりクリエイティブな仕事ができるかというとそうではないと思います。
人と接しない仕事はとても気分が楽ですが、独立できるほどの技術や知識を持っている人も少ないと思うのです。
HSPが仕事をつらいと感じる理由
HSPが仕事をつらいと感じる理由は多岐に渡ると思いますが、私が特につらいと思ったのは下記の4つでした。
1.職場の環境がつらいから
2.周りに気を使いすぎるから
3.失敗リスクへの恐怖
4.常に競走であるから
これらは職種に関係しているというより、会社のあり方や方針によると思います。
職場の環境がつらいから
私が新卒で入社した会社は広告代理店で90%以上が営業・かつ平均年齢が20代とかなり若い会社でした。
もちろん私も営業でした。
この頃はHSPという言葉も知らず、ただ人と話すことが苦ではない。
新卒で入社した広告代理店以外にも多くの営業として内定をもらっていたため、自分にとって営業は適職だと考えていたからです。
しかし、営業会社なだけあって、常に社内は電話が鳴り止みません。
そして、営業あるあるの「詰め」というものがそこたらじゅうで行われていました。
常に誰かの怒鳴り声や電話越しに怒っている声。
そんな声が響き渡る社内で落ち着いて仕事をすることはできませんでした。
HSPが周りの環境を気にしないための方法として「耳栓」が挙げられますが、社内では耳栓をしている人などいません。
当然私もそういった対策をすることはなく、常に人の声が入ってくる環境でした。
また、コピー機や電話の着信音、多くの人のテレアポの声、ありとあらゆる情報が耳や目を通して入り続ける。
そういった環境はHSPにとって多くの神経をすり減らす原因になっていきます。
周りに気を遣いすぎるから
新入社員や転職したてであれば周りに気を使うのが当然だと思います。
しかしHSPは余計なことにまで気を使い、傷つき、びっくりするほど些細なことで迷います。
自分が給湯室に行った時、ついでに先輩の飲み物も持っていくべきか?
追加で作成しておいた資料、上司の分も印刷すべきか?いやそれとも机の上に置いておいても邪魔なだけだろうか。
さっきの雑談で変なことを言っていなかっただろうか。○○さん、髪を切ったのを声かけておけばよかったかな〜
など、他の人が全く気にしないような本当に些細なことでひたすらモヤモヤしてしまうのです。
私は営業をしていたため上司から「これも提案して」「どうして今日の商談で決定できなかった」「もう1回行ってきなさい」などと言われることが多かったです。
しかし、クライアントの表情を見ると「もうこれいらないから」「どうしてまた来た?」という感情が嫌でも伝わってくるのです。
もちろん、私の思い込みだったのかもしれません。
しかし、上司の「やってこい」とクライアントの「いらない」に挟まれることがとてつもなく耐えられませんでした。
HSPが仕事をつらいと思う理由はついつい周りの人に気を遣ってしまい自分ひとりで知らず知らずのうちに疲弊していくところにもあると感じています。
失敗リスクへの恐怖
個より会社にいる方が失敗への損失が少ないから。
よく言われる言葉かと思います。
もちろん会社は組織であるため、一つのミスをしても個の責任にはならず会社の責任となるため、自分は会社に守られているという言い方もできます。
しかし、HSPは逆も然りと考えてしまうのです。
私が社名を背負っているから。この場は私が会社の代表だから。その大きな責任感ゆえに、失敗リスクへの恐怖が他の人よりも強くなってしまうのです。
「失敗しても良いからどんどん進む」ことを良しと思う環境の方が、世の中にはたくさんあると思います。
そんな中でHSPはついつい失敗のリスクを考えてしまうため「自分は他の人より動けていない」「周りよりも劣っている」と落ち込みやすくなるのです。
もちろん誰かに助けてほしいや慰めてほしいなどとは思っていません。
やれば良いことをわかっていても、ついつい失敗リスクを考えてしまう自分を静かに責めていくのです。
あまりに失敗を考えて挑戦しないのは、自分でも機会損失をすると頭ではわかっているものの、なかなか上手に動くことができない。
日々そんな環境に置かれることにより、HSPは仕事とはつらいものであると感じていかざるおえなくなるのです。
常に競走であるから
非営利法人に勤めていない限り、企業は常に競争をしています。
そしてその中はさらに細かな競走の連続です。
新卒で入社した会社で私は営業をしていたため、露骨な競争が日々たくさんありました。
先輩は日々数字を伸ばしていくのに、私は全然伸ばせていない。
同期のあの人は良い成績を残しているのに、私は何もできていない。
そんな状況が嫌でも目に見えるため、心はすっかり疲弊していきました。
数字だけの競走を見るのはあまり苦痛ではありませんが、その人の顔や表情を見るとつい背景を読み取ってしまいます。
「多くの辛いことがあったんだろうな」という気持ちが先行したり、つい競走に焦り本来の自分を全く表現できなかったりと、HSPと競争はとても相性が悪いと思うのです。
仕事は常に競合他社・他の社員との競走になるため、HSPが仕事をつらいと感じてしまうのは競走のせいでもあると思います。
HSPが快適に仕事をするために
HSPが快適に仕事をするために大切なことは職種や業種よりも「どんな仕事環境か」だと思います。
職場環境や音はもちろん、人の声音や表情までも深く気にしてしまうHSPは、バタバタした忙しい職場よりも穏やかな職場が向いているのだと思います。
新卒で入社した会社は常にバタバタしている営業会社でしたが、転職先はメーカーで営業以外の人もたくさんいる職場です。
もちろん時期によりバタバタするときもありますが、基本的にはとても穏やか。
イレギュラーな案件が少ないことも穏やかに働ける理由の1つだと思います。
人に聞くことが苦手だったり、怒鳴り声が聞こえるような環境は苦痛だったりもしますが、新卒入社した会社よりは幾分穏やかな気持ちで過ごせるようになりました。
HSPは職種よりも職場環境が大事
新卒で入社した営業会社では、常にスピードが求められ、考えるより行動が先という理念がとてもありました。
営業はやってみたい仕事ではあったものの、その職場環境ゆえに新卒入社後、たった半年で仕事を去ることになりました。
転職先は、新卒入社のときは選ばなかったような企業です。
でも、穏やかでのんびりと時が流れていくような会社の雰囲気が良く、それを居心地よく感じるのは、性に合っているか・合っていないかがすべてなんだと思います。