新卒で入社した会社を半年でうつ病になり辞めました。
休職に入って自分への理解を深める上で、初めて私はHSPの性質があると気付きました。
そんな方はついつい深く考えてしまいがちです。
手を動かす前に考えすぎて動けなくなるということが、プライベート、仕事問わず山のようにありました。
どれだけ物事を前に進めたくても、自分以外の人を巻き込むのが苦痛で苦痛で仕方ない。
心配が先立って、最初からやらない方が良いかと諦めてしまう
そんなHSP傾向を持つ人や内向型の人が新入社員になったときにつまづきやすいポイントを実体験を踏まえながら、お話ししていきます。
複雑に考え行動を起こせなくなる
HSPが持つ性質の1つとして、「思慮深さ」が挙げられます。
思慮深いこと自体は問題ないのですが、仕事は多くの人を巻き込みながら遂行していくもの。
この、「自分以外の多くの人を巻き込みながら」と言うところに苦痛を感じるのではないでしょうか。
人に迷惑をかける、人を困らせることがとにかく苦手なHSPは、考えすぎてしまうことが大きな仇となります。
しかも、「考えすぎている」状態であることを理解してしまうため、自分が考えている状態をまた考えてしまい、自己嫌悪に陥ったりすることもしばしば。
複雑に考えるゆえ、行動を起こせなくなってしまうのです。
1つを考え始めると芋づる式に迷いや考えが出てくる
例えば仕事で使うプレゼンを作成する際や外部へ出す書類を作成している時。
私は文章を書く仕事をしているのですが、成人式のハタチという表現。
「二十歳」「はたち」「ハタチ」「20歳」どれが正しいのか。
「ハタチ」は「20歳」と一緒に書くと表記のゆれになる?そもそもハタチという概念はなんだろうか。
そういったことが頭の中をぐるぐる駆け巡り出します。
すぐ聞けば良いことを、こんなことを聞くのは、バカだと思われるかな?常識的に考えて、と言われるかな?
1つのきっかけで芋づる式のように迷いが出てきて、つい仕事の手がとまってばかりになってしまいます。
行動するより、考える時間が長いから
上記の複雑に考えてしまうことに加え、考えることに時間を取られているようでは会社員として働く上で困ってしまいますよ。
私が顕著だな、と感じたのは、自分の作成した資料を確認してもらう際、「相手が全く理解できなかったらどうしよう」と不安に思い終わりのない確認を何度も何度も行こと。
私が数多く体験した、自分が作成したプレゼン資料に関して、上司の確認をとってもらう場面。
ただでさえ、自分の作成した自身のない資料を上司に見てもらう姿を見ていられません。
「1ページ目のグラフ、これで大丈夫かな‥」から始まり、そういえば、2ページ目ではここの疑問がある。聞いておかなきゃ。3ページ目で引用した資料は、ここから取ってきたものです、とその結論に至った背景を口頭でも言いたい。そもそも、フォントや字の大きさは、これで正しかったかな?
どんどん疑問が湧いて出てきます。
こういうことを繰り返していると、時間ばかりが経ってしまいますよね。
様々な外的要因に影響されやすい
HSPの性質がある人は、日差しや環境などの外的要因に影響されやすいです。
そんな中で、私が会社員生活を行う上で影響された外的要因についてまとめていきます。
同じフロアでの怒鳴り声、説教に耐えられない
大学を卒業して入った1社目は、広告代理店でした。
社員の90%が営業職でした。
営業職もピンキリですが、私の会社では目標という名の「ノルマ」がありました。
そのため、いわゆる「詰め」も多数存在。
毎日、叫び散らかす他部署の上司や怒った声。
電話越しの相手に「で、これからどうするの?」「ちゃんと仕事してるの?」「来月は目標達成できる?」それらの声がどうしても耳に入ってきます。
怒られている側や理不尽にいろんなことを言われている人の気持ち。
いくら怒られた側が悪くても、どうしてもその気持ちにフォーカスしてしまい、かなり辛い思いをしました。
本当は自分とは関係ないのに、と頭では思っていながらもこういった状況は今でもずっと苦手です。
同期への愚痴を聞くのが耐えられない
同じ支社には複数の同期が配属されました。
周りもほとんど営業職採用であるため、外出が多いです。
私は社内で資料作成。
近くの席の同期は外出ということも多くありました。
その際に、その同期の先輩がその同期の愚痴を言っている状況。
「あの子、報告がちゃんとできていない」「あの子は接しにくいから苦手だ〜」などという声が聞こえてくることもありました。
酷くその状況が苦手で、かつ自分も言われているのではないかという不安がよぎります。
こういったことで、はがどらなくなったり、ますます1で書いた考える時間が長くなり、行動が起こしにくい悪循環になっていきました。
「おはようございます」のトーンが1日心につかえる
上司や同僚に言われた些細な一言がずっと心につかえる。
一言どころか、「おはよう」のトーンでその日の気分が沈んでしまう。
「自分の期限は自分で取れ」
「その不機嫌の原因は絶対自分ではない」
分かっているにもかかわらず、他人の気分に左右されやすかったのです。
筆者も優しいと分かっている先輩が「おはよう」と低めのテンションでこられただけで、ただでさえ人に尋ねることが苦手にもかかわらずさらに、尋ねるハードルが高くなっていました。
周りから珍しがられやすい新入社員や、相手のことがまだまだ手探りな状態なので、相手は怪訝になりがちです。
それを分かっていてもついつい沈んでしまいました。
人に見られているとミス連発そして説明しすぎて自己嫌悪
私はこの悩みで本当に10円ハゲができるほど悩みました。
人に見られているどころか、私の後ろに人が通るだけでも、何か思われているのではないかとあらぬ不安によく包まれていました(今思えば通りすがった人に対してもすごく失礼ですね)。
日常生活に溢れるいろんなことに過剰に刺激を受けやすいのはHSPの特徴の一つです。
私の場合は、どうしても人に見られているとミスを連発してしまうため、あとから補足の説明をしてしまうことがとても多くありました。
その補足の説明をすることで、かえって焦ってしまい、悪循環に。
これを繰り返していると本人も周りも疲れてしまいますよね。
常に気が安まるところがない
HSPは「危機を回避するために、あらかじめ対策をとる」ことから敏感であると言われています。
そんな反面、よくないと分かっていることでも人に注意ができず、指摘もできず、人から言われた些細な一言には傷つき、自分の意見も言えない‥となると、常に気が休まるところがないといっても過言ではありません。
休憩中も午後からの業務で不安がいっぱい
会社には基本的にお昼休憩がありますよね。
私の前職は、個人のタイミングで昼休憩を取る休憩形式だったのですが、毎回毎回、昼休みは午後からはどういった順番で仕事を行うのか。午前中に終わらせておかなければいけない案件、あったっけ‥?、上司には本当はこれやってから行ってよ、と思われてるかもしれない‥。
ということで頭がいっぱいになりがちです。
考えっぱなしに疲れ、お昼休みでもグッタリ。
もちろん、お昼休みは会社の誰にも会いたくない!と思い、よく一人で誰もいないソファでのんびりしていたのを思い出します。
感情を深く読み取れるためクライアント先でも緊張がなくならない
基本的に「営業」は本来相手に必要とされていないものでも、「売る」ことが腕の見せ所だと思っていました。
この意識がなくならないため、「相手からみると迷惑」な存在と言えます。
この背景がとても、とても苦手でした。
自分が納得できる商材なわけでもないのに、本当はいらないと思っている人に売れるわけがない。
営業職としてバリバリ働いている方たちのような自信に満ち溢れた姿は私にはありませんでした。
それでも気まずくはなりたくないため、相手に同調しながら「そうですよね〜」なんてニコニコして心はグサグサと矢が刺さり続けている状態。
この状態が続くので、社内、社外問わず緊張がなかなかなくなりませんでした。
つまづきまくった私、その後
これが毎日、もちろん私ひとりの問題だけではなかったと言いたいです。
しかし、入社半年でうつ病を発症してしまい、休職、その流れで退職となりました。
本記事でご紹介したことにつまづいている方はいませんでしょうか。
HSPの傾向があるな、気質があるな、と思うだけでも少しは心が楽になるかもしれません。
また、なかなか報連相ができない部下に悩まれる上司の方は部下がHSPの性質を持っているかもしれません。
周りの助けでどうにかできるものではないですが、少しでも、歩み寄って持ちつ持たれずな環境を作りあげていければいいのに、と思うばかりです。