私は新卒で入社した会社で営業として働いていました。
しかし、働いていて半年も経たないうちにうつ病と診断され休職。その半年後に退職しました。
業務において苦手なことは数え切れないぐらいたくさんありましたが、その中でも電話をかけることは本当に苦手でした。
かかってきた電話に対応ることはまだマシでしたが、こちらから電話をするいわゆるテレアポが本当に苦手でした。
今回の記事ではHSPの私が電話対応がどうして苦手だったのか。
HSPが電話が苦手だと思うポイントとを交えお話しします。
テレアポやコールセンターで仕事・アルバイトをしようと思っている方の参考になれば幸いです。
電話がとにかく苦手だった営業時代
大学生まではテレアポと縁のなかった私。
しかし、電話対応の丁寧さはよく誉められたり、聞き取りやすいと事前の研修で言われたこともあり、電話を怖いと感じたことはありませんでした。
しかし、かかってくる電話に対応することと、こちらからアプローチをかけなければならないテレアポは比にならないぐらい違いました。
そんなHSPの私がテレアポの何が苦手だったのかを改めてまとめていきます。
その前に‥WebセミナーでHSPの私が思ったこと
現在、仕事でwebセミナーに参加する機会がとても増えました。
主催する時もあれば、受講者として参加することも多々あります。そんな中で思ったことをひとつ。
それは、匿名性は会議を活発に・有意義にするために有効だと思いますが、実際に自分の顔や正体がわからない場合は「言いたいことをどんどん言う」ということです。
次々とチャットで好き勝手辛辣な質問が投げかけられる主催者を見ていて、HSPの私は何度も何度も勝手に辛くなりました(回答がないと何度も連投するパターンを見ていてしんどくなることもありました)。
足を運んだセミナーや講座では質問コーナーで手を挙げる人などほとんどいません。
しかし、面と向かってだと絶対に言えないのに相手の顔が見えないから言えてしまう。
こう思ったのがテレアポが苦手であることの理由の一つだと思いました。
【HSP営業】テレアポの何が苦手?
とはいえ、多くの人はなんなくテレアポをこなしています。
電話に出てもらって、商談に漕ぎ着けることが私の仕事にも関わらず、電話をかけコールがなり始めた瞬間「出るな〜〜〜!!」と心の中で願ってしまうのです。
最後まで出ないことに安心して、本末転倒だなあと思いながらなかなか成果の出ない憂鬱な日々を過ごしていました。
テレアポが苦手な理由は、電話が始まった瞬間、マルチタスクの連続になることやシーンと静まり返った社内で自分の話すことが周囲に聞かれていること。声色からわかる相手の怒りや憤りなどの感情を感じ取ってしまうこと、など話せば止まりません。
強制マルチタスク
テレアポは相手が電話に出た瞬間、HSPに限らず強制マルチタスクが始まると思っています。
あれもこれも伝えなければならない。
最終的には訪問日程を決めて時間を決めて、提案内容を決めて‥ととにかく瞬時に考えなければいけないことが山のようにあります。
そんなことを考えるとつい頭が混乱して訳のわからないことを言ってしまったり、敬語の使い方が乱れたり‥とにかく相手が電話に出た瞬間から戦いが始まる気分でした。
その上、相手から質問されたりするともう大変。
あまりの混乱に何を聞かれているかもわからなくなるぐらい、混乱してしまうのでした。
嫌な汗もかくし、手は震えてくるし、生唾を飲み込む時間もなく、とにかく自己嫌悪。
電話をして申し訳ございません、と言いたくなる悲惨なものでした。
周りに話を聞かれていること
HSPは周りからどんな印象を持たれている?を気にしがちと言われますが、それがとても顕著でした。
オフィスなので、当然隣には先輩や上司がいて、嫌でも私の電話の声が聞かれます。
そんな中で電話をすることが本当に苦手でした。
聞き耳を立てられているわけではないことは分かっています。
ですが、周りに話を聞かれる事実にとてつもなく緊張してしまうのです。
敬語を間違えた時に、うわ〜間違えたって思われてるだろうな‥と感じてしまうことや、つい間違った言い回しを2回連続で使ってしまった時など、自分が悪いのはわかっていますが、「聞かれているという事実」が悲しい。
肩周りまで強ばり、声も震えて、テレアポとして逆効果になっていくのでした。
相手に迷惑そうな顔をされること
上記の2つは電話先の人がまともに話してくれるからこちらも会話を進められます。
テレアポをする上で露骨に嫌な顔をされることや強い口調で言われることもたくさんありました。むしろそんな人の方が多いほどでした。
そんな人たちとの対応を繰り返しているとHSPでなくとも、確実にダメージを負ってしまうと思います。
テレアポが嫌だと思う原因のほとんどはここに集約すると思います。
やらなければいけないのはわかるけれど、強い口調や怒り口調で話されるとHSPは余計に人より必要以上にダメージを負ってしまう。
その事実をわかっていても、相手に強く言われる・怪訝そうな顔をされることがテレアポをする上で一番辛かったです。
電話をしづらい環境であることもひとつだった
うつ病になるまで追い詰められたのは、私のテレアポ嫌いに加え、電話をしづらい環境であることもひとつでした。
ある時「よろしかったでしょうか」と電話口で言ってしまった時、切った後に「よろしかったでしょうかは正しい日本語じゃないから。」と言われたことがありました。
注意されることなんて新人はよくあることだし、気にすることではない。
むしろ感謝しなければならないほどと頭ではわかっていました。
しかし、そればっかりがグルグル気になって、話せなくなります。
間違いは誰にでもあるから、と気にしなければ良いのですが、私の声は嫌でも先輩の耳に入っていくのです。
隣の先輩からチクチクと言われることを、他部署の先輩に「そんなこと普通は気にしないけどね〜」と言われたこともありました。
それぐらい電話1つに対して、いろんなことを言われる環境がとてもしんどかったです。
結局、今でも電話は苦手
現在は、営業から離れてメーカーの広報として働いています。
が、結局今でも電話はやっぱり苦手です。
誰かにお願いをしたり、営業をかけたりという業務はありませんが、それでも目の前に上司がいる中電話をすることはなるべく避けています。
電話で急に聞かれた問い合わせに、なんとなくで返すことはできません。
でも、「社内で確認してから折り返します。」とスムーズに出てくるようになりました。そして、その返答をしても誰にも怒られることはありません。
前の会社だときっと切った瞬間その間に他の会社に取られたらどうするの?と言われていたのが容易に想像がつきます。
HSPはテレアポは向いていない
HSPにテレアポは向いていないと思います。
一度にたくさんのマルチタスクをこなさなければならないこともですし、顔の見えない相手の声音や態度は余計にマイナスに見えてしまうものです。
そしてそのやりとりが周りにも聞かれている‥となると、なかなか電話をかける勇気もでてこないのです。
電話の内容以外の要因をたくさん抱え込んでなかなか次!といけないことは自分もつらいですし、数をこなさなければならないテレアポなら尚更です。
そんなこんなで、今でも電話が苦手な私のお話でした。