ちょっと本当に備忘録として執筆しておきたいことがあったので、完全にいつもの毛色とは全く違う番外編です。
先日、彼から「今日、親知らずを抜きに行くね〜」と何気ないLINEをした約2時間後。
友人とのランチをしていた私のもとに彼から半泣きで電話がかかってきました。
親知らずの抜歯など、よくある話な上、どのぐらい腫れるかな?どんな感覚なのかな?と、痛みに強い強心臓の彼なので、歯の痛みのことなど微塵も気にせずそれまでの会話を楽しんでいました。
が、そんな楽しい時間は束の間、手術を途中で中断され、翌日に大きな大学病院で手術をする羽目になったのです。
手術中に一番聞きたくない言葉
彼が受診していたのは、ごく普通の地域の歯医者さんでした。
綺麗な院内に当たり障りのない優しい先生と面白い看護師さん。
親知らずもこの流れで難なく行われるはずでした。
CTを撮っても親知らずがあるのはわかりますが、その異常さはわからなかったそうです。
他の親知らずよりも横向きに生えていて埋まっているとは言われましたが、口を大きく開けると肉眼でも確認できるものでした。
その上、それも親知らずとしてはよくある話と聞いていたので、何も気に留めずに親知らずへの手術準備は終了しました。
「ちょっと、院長先生呼んできてくれる?」
手術時間は当初20〜30分ほどの予定でした。
しかし、どんどんどんどん時間が過ぎていき、11時開始のため12時にはすでに終了している予定がチラ見した時計は12時30分を過ぎていました。
そして想像より遥かに大きな痛みに耐えられず手をたくさん挙げまくっていたそうです。
あまりの痛みに耐えかねて、先生にあとどれぐらいですか?と聞くとまだ20%ぐらいしか進んでいないとのこと。
そこで先生が話したことは「院長先生を呼んできてくれる?」と手術室で一番聞きたくない言葉ランキング堂々の一位のこのセリフでした。
「この病院ではこれ以上できません」
その後しばらくして、先生にこの病院ではこれ以上手術を続行することができないと言われました。
先生曰く、「思ったよりも歯と骨と癒着していてここで手術をするには器具が足りない。かなり危険。」とのこと。
大学病院にすぐ連絡され、翌日に大病院で手術の続きを行うことになりました。
その日は私が買っておいたアロエ入りの蒟蒻ゼリーさえ痛く、何も食べることができなかったそう。
開けっ放しの口は唇の端が切れ、とても痛々しいものでした。
20%のタイミングで大病院への案内をもらう
その後、手術が20%しか進んでいない状態で治療は終了(というより中断)。
次の日に行く大病院の紹介状を受け取り、手術は翌日に持ち越しとなりました。
あの痛みでまだたったの20%しか進んでいない手術。
その事実にゾッとしながら痛み止めを飲んで横になることしかできません。
彼の手術に時間を要してしまった歯医者さんは待つ患者さんでものすごく行列になっていたそうで‥、ほとんど話せない中でやっとの思いで処方箋をもらい、彼は涙目で帰ってきたのでした。
大病院へ‥しかしそこでも
翌日、ほとんど痛みで眠れないまま朝を迎え、大病院へ向かった彼は到着したそばから先生に直接電話。
大病院での担当も歯科の先生が担当してくれたそうです。
歯や歯茎、総じて口の痛みはずっと続きます。
手術中の痛みを例えるならば顎の骨をトンカチでどんどん砕かれているような痛みだそう。
大病院まで来たのだから流石にここならすぐに抜歯が終わるだろう。そう思った矢先でした。
先生が誰かに電話をしています。
相変わらず手術中も激痛が続きます。この時抜歯したのは左の下顎側。
後から調べると下顎は骨の密度が他に比べ高いため、麻酔の浸透がしにくく効きにくいそうです。
それ故、何度も何度も手探りで麻酔が刺されていきます。
麻酔をしては抜歯、麻酔をしては抜歯を繰り返し、なかなか手術が進みません。
昨日より痛かったら耐えられないかも‥と序盤に先生に伝えていたにも関わらず前日と比べ痛みは体感値100倍だったそうです。
口腔外科医が登場
先生が電話してから20分後、登場したのは歯科医ではなく口腔外科の先生でした。
はじめに担当していた歯科医も続行することができず、口腔外科医に交代したのです。
彼曰くとてもイケメンの口腔外科医。
しかしそれどころではなく、はやく抜歯を進めてくれ〜〜〜〜の一心だったそう。
その先生に交代し約30分後。やっと抜歯の手術が終了しました。
口腔外科の先生は主に歯茎の炎症や顎の外傷を専門としているため、親知らずの先生は歯科医・口腔外科医どちらでも対応可能だそう。
ここまでで関わった先生は計3名。
これだけで彼の親知らず抜歯がどれぐらい大変な手術だったか伺えます。
レア中のレアケース
無事手術は終了し、2日目の病院にかかった時間は3時間ほど。
はるかに前日の手術よりも地獄だったようで、さらに先生からは「反対側はもっとしんどいかもしれない。」と追い討ちが。
反対側の抜歯は諦め、歯を物凄く綺麗に磨くことを決意した彼でした。
今回の彼の親知らずのパターンはレアケース中のレアケースと言われたそうです。
CTでは歯と骨がどれぐらい癒着しているのかを判断することができず、手術を行う過程で初めて酷いとわかったらしく。
彼の歯の神経はとても強いものだったのでした。
衝撃の親知らず抜歯
以上、親知らずの抜歯で地獄を見た話でした。
親知らずの抜歯自体はよく聞く話で、私自信危機感を持っておらず、そんな痛ましい彼の姿を見た衝撃的な話でした。
ちなみに私は親知らずを抜いたことがありません!!!
彼は手術中、全く寒くないのにとても震えていたようで、精神的にもかなり緊張していたとのこと‥普段痛みに強い彼なのに、どれだけ痛いのか、考えるだけで怖くなりました。
こんなレアケースをあまり見たことない、とのことで急いで執筆した抜歯のお話でした。