そう多くの人が経験することはないであろう「休職」。
私は新卒入社半年でうつ病と診断され、その後半年間の休職期間を経て、退職しました。
原因はうつ病。この記事ではそんな私が休職していた間に考えていたことについて書いていきます。
現在悩んでいる人の参考やほんの少しの救いになれば私もとても報われます。
うつ病と診断された日
心療内科や精神科はなかなか電話が繋がらず、初診予約ができないどころか、初診の予約は2ヶ月3ヶ月先というものもざらにありました。
それでも負けじと電話をかけて、3日後に予約がとれた精神科を受診することに。
うつ病・休職の診断を受けた時は、一旦仕事から離れられるとホッとした反面、まさか私が。
私の仕事はどうなるの?という焦燥感でいっぱいでした。
周りができていることを自分はできないというつらさ
当時、入社半年でうつ病になって休職している人は少なくとも私の周りにはいませんでした。
嫌だ嫌だと言いながらも仕事を続けていたり、楽でもないけどしんどくもなく、難なくこなしている友人も多数いました。
それなのに、自分は続けられなかった。
自分だけが休んでいる。
周りの人が難なくできていることを自分はできないことが、とてつもなくしんどくて、辛かったです。
どうしてこうなってしまったんだろうという後悔ばかり。
同期はもちろん、親にも友人にも大学の教授にも顔向けできない。
そんな思いでいっぱいでした。
病院に行くこと・薬を飲むことすべてへの抵抗
精神科や心療内科という言葉に馴染みがなかったわけではありません。
ただ、精神科や心療内科を受診することに抵抗があったのは事実でした。
周りからどう思われるかということより、私自身がお世話になることはないと思っていた場所にいるなんてという思いが大きかったです。
処方された薬を飲むとたしかに気持ちが落ち着いて、不安感は少なくなるものの、こんなので良いのだろうかという感情が抜けたことはありませんでした。
精神科の先生はカーネルサンダースに似ているおじさんで、とても優しくて、話を聞いてくれて良い助言をしてくれると感じていました。
それでも自分で薬が必要ないと判断した時は飲むことを勝手に止めたり、色々と問題児な患者でした。
考えすぎは直せない
意見を言ったり、周りと話し合いをするときはリスクやあることないことを考えすぎるゆえ、「考えすぎだよ」「真面目だね」とよく言われてきました。
しかし、これらを周りから言われようと。考えても無駄だとは思っても、考えることを辞めることはできませんでした。
むしろ、考え過ぎはよくないと分かっているばかりに、また考えすぎてる‥ああこんなに考える必要はないのに‥とますますネガティブになっていく一方でした。
よく言われた「考えすぎだよ」の正体
この「考え過ぎだよ」の正体は、自己防衛。
ありとあらゆるできごとに対策や理由を張って、自分を困らせたくないばかりに、考えすぎてしまう。
自己防衛由来の考えすぎでした。
これらが「人より気づいてしまう」という言葉や「人より繊細」という言い方をされることが多いので、どうしても繊細さん(笑)などと揶揄されてしまう。
とはいえ、仕方がありません。これが自分を守る手段だったのですから。
今度は「考えすぎ」ることを考えすぎる
とはいえ、考えすぎることを考えすぎていても仕方がないので、ある程度のことは考えても無駄だと思うようにしました。
ただ、思うようにして思った通りになるならば簡単です。
考えすぎることを考えすぎていても仕方のないことは頭ではわかるので結局悪循環でした。
特に考えすぎることに関しては対人に関することばかりです。
人が私の感情をわからないように、私も人の感情はわからないはずなのに。
そこを読み取ろうとしても無駄。わかっているのになかなか辞められなかったです。
頭の中でいっぱいになるだけで自己完結
頭の中でありとあらゆるパターンを再現しているうちに、脳は考えたことに満足し、結論が出ていないのに、考えたこと自体に疲れてしまうと聞いたことがあります。
たしかに、行動に起こせずに頭の中で悩んでいてもそれがアウトプットされない限りは周りに考えているとも思われません。
頭の中でいっぱいになるだけで自己完結は良くない。
悩みが脳内にどんどん蓄積するのは良くないと思い、日記やTwitter、noteなどで色々書くことが増えました。
このアウトプットは非常に良い影響を与えていたと今でも感じていて、HSPとSNSの親和性はとても良いなと思うのです。
休職の原因は何かを改めて考える
転職するにしても、復職するにしても、何かを変えない限りは再起できないと思い、ここばかりは慎重にいかなければとことごとく感じていました。
ぼんやりと嫌だったところ・できなかったことは見えていたため、それを具体化しようと思い、自分がストレスに感じていることと向き合いました。
こういう書き方をすると、何かすごいことをしていたんじゃないかと思われがちですが、頭の中でぼんやり考えるだけです。
言葉にして具現化するのも、そこまでしてわざわざ向き合う必要がないと思い、頭の中で考えるぐらいに留めました。
何がストレスだったのか
私が何がストレスだったのかをよく考えると、
・じっくり、良いものを検討したり考える時間がないこと
・人が怒られているところを周りで聞いたり見えたりすること
・相手が嫌がっているにもかかわらず押せ押せでいかなければならないところ
・行動全てを監視されている感覚
もちろんこれ以外にも言いだすと止まらないですが、働いていた会社意外でも考えられる、耐えられないところは上記のことでした。
しかし、これらは全部1年目であれば当たり前のこと。
スピード感に慣れることが必要だったのかもしれませんが、もう会社に戻ることは考えられませんでした。
これからどうやって生きていく?
HSPや周りを気にしてしまう性質はクリエイティブで1人でする仕事がおすすめです!と勢い良く出てきます。
HSPという特徴を知っても、周りを気にしすぎてしまう性質を知っても、そう簡単にフリーランスとしてクリエイティブな仕事をしていけるとは限りません。
フリーランスになるとしても多少の社会人経験は絶対に必要だと思う。
これが私の出した結論でした。また、会社員として働きたい。
半年で辞めたなんて社会人経験があるとは声を大にして言えないだろうと思い、また会社員になることに決めました。
もう失敗できないことへの不安
1社目を半年で辞めることになった私は次の会社こそすぐに辞めたくないと思う一心でした。
1社目に入社したことそのものは失敗とは言いたくありませんが、反面教師にする必要はあります。
私はなりたいイメージと苦手なことを離して考え、私にとって仕事をしやすい環境が整備されている場所を探す方針を固めました。
もう早期離職をしないために
HSPという言葉にはじまる、考えすぎや周りを気にしすぎること、大きな騒音や周りの環境に左右されやすいこと、これらの性質を持っていようと、社会で生きていかなければなりません。
とりあえずどうすればその考えすぎを回避できるのか?どうすれば迷いなくスムーズに自分の聞きたいことをすんなりと聞けるようになるのか?
これは私の永遠の課題でした。
結果的には、転職し、入社した2社目でも同じような悩みを抱えることになります。
しかし、時間に余裕がある環境だった・きちんと定時で帰れることにより自分の考えを整理する余裕ができたなどの理由から対策を練っていいくことができるようになりました。
休職しても、終わりじゃない
休職して改めて時間をかけて自分と向き合い、自分の苦手なことやどうしてもできないことがたくさん見えてきました。
この休職中の時間は、自分を変えてくれた時間だったと今になっては思います。
「目の前の忙しさに気を取られ、あっというまに入社して3年が経っていました!」などという声も聞きますが、考えすぎや抱え込んでしまう性質を持っているからには、なかなかそういうわけにはいかないもの。
休職した当初は毎日、冗談抜きに「人生終わった」ぐらいの重たい気持ちを抱えていましたが、本当にそんなことはありません。
「辛かったら逃げていいよ」に責任取れるのか論争がよく巻き起こっていますが、たまには立ち止まって時間をかけて答えが出るまで考えてみることが一番必要な場合もあるのです。