私は新卒入社した会社を半年で休職しました。
その時、ちょうど私より少し先に休職に入った他エリアの同期がいました。
同期が休職に入ったのは、8月のお盆あと。その後私が休職に入りました。
そんな同期から先日、再就職の連絡がきたのが嬉しくて、そんな私と友人の話です。
同期が休職していると知った日
同期が休職をしていると知ったのは出張先での出来事でした。
出張先で他エリアの同期に会った時、さらに他エリアの同期が休職していると聞きました。
それを聞いて私が思ったのは「どうしてあの子が?」。
入社式を含め、研修などで数回しか会ったことがありませんでしたが、濃い時間は多く過ごしてきました。
彼女へのイメージは、真面目で優しくて明るい関西人。
なんでもハキハキと返事をしてテキパキと仕事をこなしていそう。
パキッとしたスーツもとても似合っていて、その日まで今日も元気に働いている。
そう思っていました。
どうしてあの子が休職?
どうしてあの子が?のあとに続く言葉は、「何があったの?」ということでした。
私自身もこの時期、すごくやるせない思いをたくさん抱えていてダメになる寸前でした。
この休職した同期がいたから、私がほっとしたというのも少なからず事実です。
結果的には、その1ヶ月後に私も休職に入ることになりました。
適応障害で休職した同期との電話
同期なら、私の思いや迷い、辛さを聞いて、どう思うかきっと話してくれると思い、その日の打ち上げは早め切り上げ、ホテルに帰宅し同期に急いで電話をしました。
そこで知ったのは、同期は適応障害だと診断されて休職しているということでした。
すぐさま自分を判断できる勇気
ある日突然体が起き上がらなくなった。
そう話す同期は、よく頑張り屋さんと言われてきたそうです。
なんでも頑張ります!と言ってしまう性分、営業として働く上で、「自分のしていることがどうも人のためになると思えない」そんな疑問を同期は抱えていました。
たくさんの人に商材を使ってもらい、自分の数字を上げることより、人のためになったと思えるような仕事がしたい。
この仕事は自分には向いていないと判断したようでした。
休職中に会いに行った日
そんな日から2ヶ月が経った日、私は同期に会いに行くことにしました。
お互い同じ会社を休職中。積もる話はたくさんありました。
同期からみた私も「しっかり者でちゃんとしている」イメージがあったようで、休職をしたということに心底驚いていました。
しかし、出てくる言葉は私がいつも言っていることと似たようなものばかり。
すっかり意気投合し、あっという間に時間が過ぎました。
いつもの「しんどい」ではなくなったきっかけ
突然会社に行けなくなった同期の主な原因は業務の合わなさという点もありますが、上司に問題があるとも言えました。
同期の上司を直接見たことはないけれど、細かくそして元気がある人でした。
もちろん管理職という立場なので、それなりに仕事内容も評価されてきたのでしょう。
できない人を徹底的に詰める、できない理由がわからない
数字が上がれば全て良しという上司だったのです。
発破をかける上司と逆らえない同期
そんな発破をかける上司と真面目で優しい部下。
自分のしている仕事を快く思っていない同期は、数字を上げるために相手の気持ちを考えず、テキパキと動くことが難しかったようです。
しかし、第一印象が大切な営業会社で数字を上げることを全てとして発破をかけてくる上司に逆らえるわけがありませんでした。
上司と同期の溝はどんどん深まり、それにともなって、仲も悪くなっていきました。
自分の仕事は誰かの迷惑になっている
自分の仕事は相手のためになっていると思えない。
あってないような研修で、いきなり現場に行かされて、納得できない商材を無闇やたらに進めることができないと、だんだん仕事へいく足が重くなっていったそうです。
しかしながら、同期も私も会社をスパッと潔く退社することはできませんでした。
本当にこれで良いのか?せっかく大学を卒業して入った会社で新卒でまだ半年も経っていないのに‥という葛藤がずっと付きまとうのです。
叫ばせる上司、数字へのプレッシャー
わかりやすく数字の出る仕事だったので、本人が感じるプレッシャーも大きすぎるものでした。
そんな同期の上司はよく多くの人の前で個人目標を宣言させていたそうです。
そして、その上司がフィナーレに選んだのが休職した同期でした。
その上司曰く、「あの子気が弱いから最後にしてあげて」と周りに言っていたと聞きました。
これがやる気を出すための手段になるのでしょうか。そんな場に立たされた同期は、その場で震えが止まらなかったそうです。
そんな同期の現在
そうして休職に入って、同期はそのまま退職、ここ最近まで連絡はとっていませんでした。
そんな同期から、先日久しぶりのLINEが私の手元に届きました。
場所を変え、職を変え
「東京でイラスト関係の仕事をすることになったよ!」とLINE。
同期のアイコンは自分が描いたであろう素敵なイラストに変わっていたのが印象的でした。
同期は退職後、自分の大切に使っていたカメラを売り払い、デザイン関係の教室に通っていたようです。
同期が転職先に選んだのは、私たちがいた会社とは全く違うクリエイティブなデザイン関連の仕事でした。
好きなことを仕事にしていた
苦手なものを克服したり、得意なことを見つけるために本来自分には合わないであろう職種を志望しています、とよく聞きます。
私が就職活動を行っていた集団面接では、人と話すことが苦手だから営業になりたいという声も聞いたことがあります。
しかし、得意なことや好きなことを伸ばす方が効率も良いし、好きなことをもっと好きになる素晴らしいきっかけだと考えます。
反対に、「自分の苦手なことを得意な人がいる。だからできないことはできる人にお任せしようと思ったの。」同期のこの考えがとても心に響きました。
同時期に休職していた同期と会って
同時期に休職していた同期は今では同期の垣根を越えて、とても大切な友人の一人です。
同じ苦しみや似たような感情を持ち、それを共感するだけで、こんなに心が救われるのだと思いました。
そんな同期が、これから新しい職場で新しい未来を迎える。
同期が休職中に売ってしまった素敵な一眼レフがまた、同期の手元に戻ってきますようにと願うばかりなのです。