「組織が向いていない」HSPが会社員でいるために思うこと

HSP

「HSPが向いている職業」を調べるとよくクリエイティブな仕事や1人で完結している仕事が向いていますと勢いよく出てきます。

ほんと、おっしゃる通り!だと頷きますが、誰にでもクリエイティブな仕事や1人完結の仕事がすぐできるのか、というと話は別です。

個人的には映像制作・イラストレーターなどの個人のセンスが光る仕事の方がブラックで残業が多いというイメージさえあります‥。

なぜHSPは組織が向いていないのかを私が会社で働く時に困ったことに基づいて、私を含めたHSPがそれでも会社員として働くために大切だと思うことを書いてみます。

ちなみに私は新卒で入社した会社をたったの半年でうつ病と診断され、さらに半年休職・退職・転職をしました。

「組織で働くのが向いていない」と思っていたのはHSPの性質が原因だったんだと今になってはわかります。

私の散々な新卒入社半年でうつ病と診断された話は下記からぜひ読んでみてください。

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「組織が向いていない」が口癖な会社員

ずっと「私は会社や組織が向いていと思う‥」が口癖でした。

できることならひとりで次々に出てくる興味のあることをやってみたい。

その理由はとてもシンプルです。

シンプルに「誰のことも気にしなくて良いから」「誰にも何も言われないから」

何をやっても自己責任だから。

やりたいことをやりたい時に、誰の意見にも忖度せずに、思うがままにやれる。

とにかく、私にとってはそんな状況の方が気が楽でした。

仕事中は上司の顔色を伺いなかなか質問ができない。喋りかけられない。与えられた仕事がこれで良いのかと自問自答してばかりでなかなか進めない。誰かに評価されるために頑張っている人を見ると、なんだか気恥ずかしくなってしまう。

仕事以外のことに気を遣いすぎて疲れてしまう私には、とにかく組織の一員として働くことが向いていないと思っていました。

私の周りを気にしてしまう性格で私は新卒入社した会社を半年でうつ病と診断されてしまいました。

HSPが組織に向いていない理由

組織というのは、共通の目標を有し、目標達成のために協働を行う、何らかの手段で統制された複数の人々の行為やコミュニケーションによって構成されるシステムのこと。

複数の人の集合体が組織となり、それがさらに集まり会社となり成立させているのです。

つまりは、私の責任は会社がとってくれるかもしれませんが、逆も然り。

私のミスのせいで会社がどうにかなってしまうこともあり得ます。

そんな大きなことだけではなく、オフィスにいるときの誰かに見られいる感覚や、私がこの会社を背負っている、という責任感がものすごく重たく感じ、どんどん組織に向いていない、会社員辞めたい‥と思ってしまうのでした。

仕事を誰かに見られているとミス連発

HSPは普通の人よりまわりの環境や雑音に左右されやすいと言われています。

その対策として「耳栓」がよく挙げられますが、組織の中でひとり耳栓をするのも「うわっ、あいつ一人耳栓してる‥俺らがうるさいってこと?」と思われそうで気が気ではありません。

なので私は実践できませんでした。

そして、環境に左右されるのは雑音だけではなく視線に関しても然り。

私が特に嫌だったのは、営業をしに企業へ訪問する時。初めの頃は上司との同行がほとんどでした。

クライアントと1対1で話すところを上司に見られている。

これがひどく耐えられなかったです。

「あとから何を言われるんだろう」「この訪問、ヘマできないな‥」とクライアントより上司の方に気がいく始末。

その上、私の上司はとても細かい人だったので、後からも色々と言われるのが分かっていました。

どう動いても上司が満足できる(=理想を言えば褒められる)完璧が目指せない。

指導はあって当たり前のものだと思いますが、今まではそれなりにいい子として生きてきたので誰かに怒られたという経験は全くありませんでした。

少しの注意でも心に刺さり、怒られているように感じ、とてもつらかったです。

一人でやれば誰にも何も言われずに済むのに。

怒られたその後、勝手に私一人で気まずくなることもないのに。

指導が役に立ったと思う日が来たとしてもそれよりも私の怒られたという経験の方が強く残ってしまう、と強く感じました。

考えすぎて仕事が全然進まない

私はこのブログを書いている際は、トライアンドエラーを繰り返して、より良いものにしていけばいっか〜!と思いながら軽い気持ちで執筆しています。

でも会社員として働いている時は、この感覚は持てませんでした。

むしろ、圧倒的に考えすぎてしまいます。

「まずはとりあえず確認してもらおう!」がどうしてもできませんでした。

一つの資料を作るにしても、半角・全角の使い方から、体裁やそもそもの内容にまで、本当にこれで良いのか?と思ってばかり。

細かいところを修正したり、また戻したり、そんなことをしては時間ばかりが経っていくのでした。

新卒で入社した広告代理店では「良い感じにしておいてね」と言われることが多かったです。

私の中の「良い感じ」には余念がありません。

無駄な時間を使って、無駄に丁寧な資料を作って、時間ばかりが経っていきます。

その丁寧さを褒められることはあっても、とにかく時間がかかりすぎます。

そのため、何もかも時間がかかる子、というレッテルを貼られることがよくありました。

できる社会人を体現する1つは「仕事の速さ」です。

それを頭でも理解できている、でもできない。これが繰り返され、私の「誰にも何も言われたくない。組織が向いていない‥」が加速していくのでした。

一人のときと複数人のときでパフォーマンスが180度変わる

1対1で少し心が許せる先輩、鬼のように詰めてくる上司、そして一人の時。

それらが一堂に集まった時、自分はどういう振る舞いをすれば良いのか、まったくわからなくなりました。

これまでの事柄からも分かるかと思いますが、周りからどう見られているのかをどうしても気にしてしまう人は、均一な振る舞いをすることが苦手です。

というか、できませんでした。

そのため、この案件について頼りになると思って!とアサインされた会議で慣れない人や苦手な人がいると、いくら自分の得意分野で呼ばれていたとて、ぎこちない振る舞いをしてしまいまうのでした。

こういったことが重なると、「どうして私は周りを気にしてうまく話せないんだろう」や「せっかく期待されてアサインされたのに申し訳ない」と頭がいっぱいになりますし、とにかくこんな自分が嫌になり自己嫌悪に陥ります。

誰もがこんな状況、あるでしょ!と自分自身に言い聞かせますが、どれだけ経験をしても慣れないので、その性質と付き合っていくしかありません。

思うことはあるのに会議で発言ができない

HSPは深い思考ができると言いますが、周りから言わせると、本当に何もかも考えすぎだとツッコミが入ります。

会議で思うことがあってもその場で指摘ができなかったり、雑談の場でもつい当たり障りのない会話ばかりしてしまい、自分の身を狭くしがち。

しかもそれらは、「勇気を持つ」などの根拠のない気合だけでは乗り越えるのが難しいものでした。

気軽でカジュアルなおしゃべりができるのに、より良いと思う提案はなぜか喋れなくなります。自分の言うことに自信がなくなってしまうのです。

それに加え、HSPは頭でずっと1人会議をしている状態なので、いざいろんな人の話を同時に聞くとなるとどっと疲れてしまいます。

また、その場では当たり障りのないように振る舞ってしまうため、肝心の会議の内容が頭に入っていないこともとても多かったです。

私は、周りの話を聞いたり、相槌を打ったりすることに注力してしまい、肝心の中身をまとめられないという悩みがありました。

そんな時は個人的に録音をして挑んでいたのですが、後から何をしているんだろうと空虚な気持ちなることもよくありました。

それでもやっぱり会社員。HSPでも組織で働くために

それでもやはり会社員。

資本主義の日本ですから、経営側と労働側に分かれるのは当然のことです。

それでいて、やっぱり安定したお給料をもらえる会社員は魅力的だと感じます。

いつまで経っても逃げてはいられない、苦手をたくさん抱えながらも会社員として働くためには、何か方法が必要でした。

普通に検索して出てくるようなノウハウはとても私にはハードルが高すぎたため、私なりにモチベーションを上げながら仕事をしていこうと考えました。

結局マインドかよ!と思われるところもあるかもしれないですが、自分のことを自分で決めて追い込んでいく、なかなか良い方法だと思っています。

まずは自分を固める

私は朝デスクについて、これを聞こうかな、あれを聞こうかな、と迷う日が多かったです。

それでも私は上司の「おはよう」テンションが低いだけで、何もかもが今日は「やめておこう」となるのです。

そして結局聞けず仕舞いで午前が終わる。

そして、お昼休みになりひたすら「遅いって思われてるだろうな〜」と焦って‥が一連の流れ。

ここで自己嫌悪に陥るのを防ぐために、まずは自分を固めることが必要でした。

これは絶対しておかなければならない!という仕事がある場合は、前の日のうちに「明日、これについてお伺いさせてください。」と宣言をしておきます。

その宣言をした後は、その日はもう帰るだけなので仕事に対するドキドキが紛れます。

翌日には、宣言した手前向こうもその気でいます。

「その気でいるのに聞かないのはさすがにまずい」と自分に発破をかけることができるので、質問に対するハードルを低くすることができるのです。

自分アイスブレイク

基本的にどれだけ相手が優しいとわかっていても心の中では良く思ってないのではないか、と自分の中で思い込んでいては仕方がありません。

私は、その人が今どんなことを思っているのか、どんな考えを持っているのかこれを少し知るだけでだいぶ心が楽になって質問をすることができました。

話しかけられないを乗り越えて、朝来たときの第一声を、「今日の朝、すごい雨でしたね!大丈夫でした?」などと当たり障りのない会話から始めます。

その会話の流れで質問すると、「そういえばここなのですが‥」と聞きやすく、また、自分のためのアイスブレイクをすることで、落ち着いて的確に伝えることができるので、私はよく使っていました。

ただ、これは私の勝手に聞きにくさを解消しているだけであって、新卒で入社した会社の上司だと絶対にこんな会話はできたものではありません‥。

あくまで話しかけられない自分への発破をかけるため、そう思って行動していました。

この自分アイスブレイクをたくさん行うことで、日常会話も増え、いつの間にか社内に味方が増えていく気がしました。

細かすぎるメモ作り

私が一番おすすめしたいのはこの細かすぎるメモ。

HSPは1つの事柄について事細かく背景まで話したがります。

自分がどういう思考回路でこの資料を作るに至ったのか、ということまでしっかりと話したいため、「前起きが長すぎて、相手も自分も何を言っているかわからない。」となっていました。

そして、端的にスマートに話す方が、やはり印象が良いに決まっています。

そのため、私は細かすぎるメモを作っていました。

まずは、自分の言いたいことを全て書きます。

その後、<知りたいこと><報告したいこと><これからの方向性>の3つに分けます。

この3つに分けることで、会話のスタートからゴールまでのフォーマットができます。

軽い相談を挟んで、会話が広がり脱線しがちな際も、ゴールすなわち最低ラインを書いておくだけでこれを聞ければクリアできるので、本当に聞きたいことが聞けなかった・結局どうすれば良いかわからないという自己嫌悪に陥ることも少なく済みました。

会議で喋れなくても理解していることは後からカバー

HSPの会議で喋れない問題。

これは会社員として働く上で由々しき問題であると言えます。

その割には頭ではしっかり考えているため、後から意見を言うことで、「そんなこと思ってたのなら、その時言いなよ」と言われたり思われたりするのがオチです。

そのためには、やはり後からカバーするしかありません。

私の場合は、まずは会議終了後にの会議の内容について軽い確認を上司にしていました。

「新規の採用目標を達成するためにはまずは、まずメディアの露出を増やしていく、と言う方向性なんですよね!」など軽く確認をするのが、一番大切なポイントであると言えます。

「人はわからない状態が一番不安である」ことを念頭に置くことによって、私が理解をしていますよ、ということをまず相手に伝える。

独りよがりかもしれませんが、自分のためにもこの確認は大切でした。

HSPでも内向型でも会社員として働きたい

HSPや内向型という性質を持っていても、会社員として働いていかなければならない状況はたくさんあります。

自分のやりたいことや好きなことで生きていくのが一番。

とはいえ、なかなか今すぐいきなり独り立ち!というのも難しい話です。

かといって、意識が高いノウハウをいきなり実践するのは、その一歩目からつまづいているんだよ!!!!と本末転倒でした。

少しでも悩みや恐怖心が拭え、自分の心の居心地さえ晴れれば、なんとなくひらけた気分になってきて仕事もはがどっていくと私は感じています。

1つの不安も残さないことが大切。小さなミーティングでちょっとした不安を上司に聞けたことで、1週間分ぐらいの心のモヤモヤが飛んでいったこともありました。

HSPが組織の中にいるためにもとても大切なことだと思います。

自分を救うためにまずは自分不安を少しずつ払拭する。

何もかも、私のために、と思うことで少しずつ報われていくと思います。